「ごみゼロ」を目指す環境にやさしい日本の町

「ごみゼロ」を目指す環境にやさしい日本の町

日本初の「ごみゼロ」を目指す上勝町の町づくり

 徳島県にある人口約1,600人の上勝町は、日本初の「ごみゼロ」を目指す自治体として世界から注目されています。1995年以降、上勝町は住民にコンポスト容器や電気式の生ごみ処理機を購入するための費用を助成しており、処理機の普及率は なんと 97%に。町内の生ごみ全てを各家庭で処理することに成功しました。

2003年、町は日本で最初に「ゼロ・ウェイスト宣言」をしました。

 上勝町の住民は、ごみ問題に真正面から向き合い、楽しみながらエコ活動に参加しています。住民は、ビンや缶は家で洗ってから「日比ヶ谷ごみステーション」に持って行き、「アルミ缶」「スチール缶」「スプレー缶」「透明びん」「茶色びん」など、細かく34種類に分けられた分別箱にそれぞれごみを入れていくのです。これにより、2016年にはリサイクル率が 81% に達しました。

 

またステーションには、不要になった洋服や本、雑貨、おもちゃ、家具などをリユースするための「くるくるショップ」があり、必要なものを無料で持ち帰ったり、不要品と交換することができます。

布製のものはリメイクされて、隣の「くるくる工房」で販売されています。工房は「介護予防活動センター ひだまり」の中にあり、リメイク品の作り手はセンターに来る高齢者の方。商品の売上げの 90%は作り手に渡ります。

 2017年に上勝町は、ゼロ・ウェイストを推進するため、独自に定めた審査項目をクリアした飲食店などを認証する「ゼロ・ウェイスト認証制度」を作り、認証した店舗のゼロ・ウェイスト活動をサポートしています。

上勝町は毎年約600万円をごみの管理費用に費やしていますが、紙や金属などをリサイクルして得る収入は年間250~300万円になり、ごみ処理費用のコスト相殺に役立っています。

上勝町のゼロ・ウェイストへの取り組みは世界が注目しており、海外の自治体が町を視察に訪れることも多く、ごみ問題が世界共通の課題となった近年、上勝町の環境に配慮した取り組みに高い関心が寄せられています。