自分らしく心地よく過ごしていくためのアーユルヴェーダライフ

自分らしく心地よく過ごしていくためのアーユルヴェーダライフ

「心地よい生き方」のヒントをアーユルヴェーダを通してみなさんにお話ししていけたらと思っています。難しく思われがちなアーユルヴェーダですが、実は私たちの生活に根付いていることがさまざまあるのです。アーユルヴェーダの実践は、『本来の自分自身を知る』ことに繋がると感じています。

みなさん、こんにちは。ヨガ・アーユルヴェーダ講師の永田舞美です。

これから全6回に渡り、「心地よい生き方」のヒントをアーユルヴェーダを通してみなさんにお話ししていけたらと思っています。難しく思われがちなアーユルヴェーダですが、実は私たちの生活に根付いていることがさまざまあるのです。アーユルヴェーダの実践は、『本来の自分自身を知る』ことに繋がると感じています。できるところから試してみて、ぜひ自分だけの心地よいライフスタイルを過ごすきっかけにしていただけたら嬉しいです。

アーユルヴェーダとは?

「アーユルヴェーダ」という言葉を聞いたことがありますか?
もしくは、「アーユルヴェーダ」と聞くとどんなことを思い浮かべますか?

オイルマッサージやスパイスなど、何か特別なものをイメージされる人も多いかもしれません。アーユルヴェーダとは、5000年以上の歴史を持つインドやスリランカが発祥の世界三大医学の一つで、WHOからも認められています。サンスクリット語の「アーユス(生命)」「ヴェーダ(科学)」という二語から成り、命あるすべてのものに適応できるとされているのです。

私たちの身の回りでは西洋医学が馴染み深いかもしれませんが、西洋医学が病気や不調の症状にアプローチしてケアする医学なのに対して、アーユルヴェーダは「その人個人」を重視し、日々のライフスタイルを通して病気になりにくい身体と心を育てる「予防医学」なのです。自分に合った方法があるので、少しずつ取り入れていくことで、毎日がより豊かに、心地よくなっていきます。

私たちは一人一人顔が違えば性格も違い、体質も異なります。住んでいる環境、仕事、家族構成もさまざまです。一人一人が個性を持って生まれてきていますから、”心地よさ” を導くものは人によって違って当然なのです。そんな自分にとっての心地よさを感じながら過ごしていくために、アーユルヴェーダでは、食べるもの、肌につけるもの、身を置く環境、1日の過ごし方、季節の過ごし方など、自分に合った方法を示してくれます。そのため、必要以上に悩んだり、周りと比べたりすることなく「あるがままの自分」を感じやすくなっていくのです。さらに、身体の心地よさだけでなく、人間関係や心の在り方までも教えてくれる学問なので、「生き方の智慧」とも言われています。

まず初めに、アーユルヴェーダでとても大切にされている「消化力」についてお話しします。この消化力が全ての鍵と言っていいほど、大切な考え方となっています。


毒素は万病の素

アーユルヴェーダでは ”毒素は万病の素” と考えられており、心身共に健康で生き生きと過ごしていくためには、毒素を身体の中に溜め込まないことです。健康になりたい、きれいになりたい、と思ったとき、「何かを取り入れる」人が多いと思いますが、取り入れるよりもまずは「余分なものを排泄する」ことが重要なのです。

そのためには、「消化力」がきちんと働いている必要があります。この消化力とは、食べたものを『消化、吸収、代謝する力』のことで、加えて『感情の消化』までも司ると言われています。よく「胃腸と脳は繋がっている」とも聞きますよね。

忙しい日々を過ごしている現代人は、この消化力が弱まっていると言われており、消化力の弱まりが体内に毒素を蓄積させ、不調を引き起こしたり、活力を失ったりと、心身共に健康で心地よい状態から遠ざけてしまうのです。そのため、消化力を高めて、身体と心を活性化させていくことが大切になります。


溜まった毒の量は・・・?

消化力の重要性を知っていただいたところで、今のあなたの身体や心にどのくらいの毒素が溜まっているか、チェックしてみましょう。

□慢性の便秘や下痢がある
□鼻水が止まらなくなることがある
□食後に眠くなる
□食欲が落ちている、またはお腹があまり減らない
□体力が落ちていると感じる
□精神的、肉体的に疲労感がある
□いろいろ思い浮かぶけれど集中力や注意力が続かない
□過去を思い出してはいつまでも後悔する
□何をするにも気が進まない
□イライラしたり、落ち込んだり、感情の起伏が激しい

いかがですか?
意外と日常生活の中でよくある症状ではないでしょうか。これらを不調と捉えていない人もいるかもしれません。それだけ消化力が弱まっている状態がスタンダードになってしまっている現代なのです。チェックがついたとしても焦る必要はありません。消化力は、日々の生活で整えていくことができます。


毎朝、白湯を飲む!

簡単に始められることは、「白湯」です。白湯を飲むことで、内臓から身体が温められ、代謝を良くし、消化と排泄を促してくれます。また、冷えやむくみ、肌荒れ、便秘などの不調にも効果的です。

白湯を飲むおすすめのタイミングは朝です。朝起きて、まだ何も食べていない状態で白湯を飲みます。そうすると、腸内まで白湯が行き渡り、内臓をクリーンにしてくれるのです。白湯は、特別に何かを準備する必要がないので、気軽に取り入れられるのではないでしょうか。まずは、毎朝白湯を飲んでみて、身体や心に溜まった毒素をデトックスさせていきましょう!

〈  アーユルヴェーダ式・白湯の作りかた 〉
白湯を飲むことを習慣にしていただきたいので、忙しい方は電子ケトルを使ってもよいとされています。ポイントは、必ず沸騰させることです。
 
1. 水を鍋(もしくはやかん)に入れ、蓋をして沸騰させる。
2. 沸騰したら蓋をあけて、ぽこぽこ大きな泡が立つくらいの火で10分間沸かす。
3. 火を止めて、フーフーしながら飲むくらいの温度まで冷まし、ずずず〜っとすすりながら飲む。

このようにすることで、私たちを構成している風、火、水のドーシャ(体質)バランスが整うと言われています。最初から完ぺきにやろうとすると続けるのが大変になってしまうので、自分のライフスタイルの中で続けられる方法で、白湯習慣を作っていただけたらと思います。

次回以降は、毒素を排出するアーユルヴェーダのモーニングルーティンや、消化力を高める食生活、私たちの活力の素になるある秘密についてお話をしていきます。一人一人の体質が異なるように、消化力の強さも人それぞれです。だからこそ、セルフケアを通して今の自分を見つめ、心地よい状態を導いていってください。